引きこもり生活は社会問題ではなく、社会現象である

 最近になって休日が増えたのはいいけど、部屋の掃除や洗濯物処理で一日が終わってしまういつもの引きこもり生活を過ごしている引きこもり生活愛好家です。

地上波のテレビは地元独立U局の自治体広報番組やNHKのローカルニュースぐらいしか見なくなったけど、愚かな東京キー局奴隷の民放では相変わらずひきこもり叩きが横行していると聞いています。
この現象は、思えば、90年代後半辺りから始まっているように思えますが、就職氷河期以降に急増した「働いたら負けかなと思う」の名台詞でおなじみの「ニート」と同じくして「ひきこもり」が急増していると騒ぎ始めたようです。あの頃を思い出して見ると、「違法な労働」や「ブラック企業問題」は、マスメディアの世界では見事に黙殺されていて、某巨大掲示板辺りではブラック企業ネタで賑わっている、といった状況でしたが、スポンサーにブラック業界の連中が連なっていたからなのか見事なスルー振りにただ、笑うどころか呆れる気すらしなかった人も多いはずです。

そんな憂鬱な騒ぎに続けたかのようにインターネットによる新たなIT革命が合衆国から始まりましたが、引きこもりに限らず「感度の高い人達」によって今度こそは移動の無駄が減らせるのではないのか、という期待が寄せられました。
事実、この頃から鉄道やバスの利用者が減り始めて阪急電鉄がサラ金事業に手を染める(2008年頃に撤退)程までになりましたが、一般的にいわれていた少子化が進んで(主に)通学の利用者が減っているからという理由だけでなく、インターネットのおかげで外出の必要性が激減したことも否定できないでしょう。
そして、アメリカの「ミレニアルズ世代」により引きこもり生活の有用性が認められていき、リーマンショックで世界的なミニマリズムブームが勃発したことで日本においても「巣ごもり消費」なる歯切れの悪い言葉と共に「ムリ・ムダ・ムラのない消費生活」を営む傾向が広がり始めていきました。

この頃に前後して、「シンプルライフ」と「断捨離」も始まり、 単なる「節約」とは一線を画した成熟社会に相応しいライフスタイル。いわば、衣食住の再構築(Restructuring)といっても過言では無い新たな社会現象の勃発。それが引きこもり生活なのです。